熱交換器のスケール除去

熱交換器に水道水を使用した場合、運転時間の経過とともに熱交換器銅管外面や内面にスケールと呼ばれるカルシウムなどの堆積物が付着します。付着した堆積物は熱交換率の低下・流量の低下を引き起こし、トラブル発生の原因になります。水道水に含まれる硬度成分が炭酸カルシウムあるいは炭酸マグネシウムを主体とした炭酸塩系スケール(以下、炭酸塩系)として付着します。炭酸塩系を除去するためには、定期的な酸性洗浄剤による洗浄が必要です。

酸性洗浄剤の主成分は、塩酸・硫酸・硝酸・リン酸などの無機酸、またはクエン酸・リンゴ酸・酢酸などの有機酸です。炭酸塩系は酸性洗浄剤による洗浄により除去されますが、熱交換器の使用環境により、使用水特性・加熱条件・使用配管種類・添加薬剤の影響によって炭酸塩系に加えて、混合無機系と呼ばれる水不溶性のケイ酸塩化合物・鉄錆・リン酸塩化合物が混在する場合があります。炭酸塩系と混合無機系が混合したスケールは、難除去性無機系スケール(以下、難除去性無機系)となり、酸性洗浄剤による洗浄では除去されにくいのが現状です。難除去性無機系を効率的に除去するために、3つの処理ステップを用いる方法が提案されています。

第1ステップとして、難除去性無機系が付着している鋼管に対し、メタンスルホン酸とヒドロキシカルボン酸との混合酸性洗浄剤による洗浄処理を実施します。第2ステップとして、自然乾燥、送風乾燥(~300℃)または加熱乾燥による乾燥処理を行います。第3ステップとして、炭酸ソーダをベースとした洗浄剤などアルカリ性洗浄剤による洗浄を実施します。この方法により、鋼管の腐食・劣化がなく、難除去性無機系を除去することができます。

スケールが厚さ0.5mm付着すると熱交換率が50%低下するとの報告があり、定期的に除去処理し熱交換器の能力低下を防ぐ必要があります。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *